お嬢さまを攻略

「世の中な不景気ってことになってますが、お金はあるところにはあるんですよね」。
そう話すのは、先日愛知県の女性と交際を始めた男性です。
馴れ初めは出会い系サイト。
でも今は、直接メールでやり取りをする仲に発展したとのこです。
「とにかく彼女の実家はお金が有り余っているようで、彼女自身が所有している車だけでも車が3台。
うち1台は外車だといいます。
彼女が運転するようになったのは社会人になってからで、それまではお抱えの運転手に学校の送迎を頼んでいたっていう話です。
だから、なぜSNSなんていう庶民的な出会いを求めたりしたのか聞いてみたんです。
すると、“お嬢様だって解っているからこそ、財産目当てだと思われたくないっていって男が尻ごみしてしまうの”と話していました。
“だから、素姓が解らない普通の女の子として相手してくれる出会い系サイトに辿りついた”って話しています」。
しかし、ならば男性はすでに“彼女はお嬢様だ”なんて解っていないで付き合っていないと、愛知県のお嬢様の作戦は失敗してることになります。
男性にそう訊ねてみると「彼女に対しては普通のメル友として話をしていますよ。
ただ……」。
男性の話は続きます。
「興信所勤務の僕としては、相手の素姓を聞き出すのは朝飯前なんですよね。
もちろん始めはお嬢様だと知っていた訳ではありません。
でも、ちょっとした生活の話をきっかけに疑問に思ったんです。
それから、ちょっと誘導的に本名を聞き出したり、細々とした家庭環境を洗ったんです。
もちろん、彼女に気づかれてはいません。
どんなに彼女が名門の学校出身だったとしても、名のある資産家だと解っても、世間話のようなローテンションで聞いていましたからね。
それにはさすがに彼女も警戒心を解いたようです。
そして今の、順調な交際期間に入ったんです」。
私が感心して話しを聞いていると、男性は気を良くして笑みを浮かべました。
「一度こっちになびかせれば、そこはただの男と女の関係。
みすみす逆玉の輿のチャンスを棒に振るほどお人好しな僕ではありません。
落としますよ、全力で」。
そう話す男性は、終始興奮さめあらぬような口調で、眼光は鈍い光を放っていました。

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